俳句歳時記ほど,見てて楽しく,かつ急激に退屈になっていくものはない。要するに本質的に辞書だからだ。
それを有効活用するための最適のツールと思われるのが,「角川俳句歳時記第四版 for ATOK」である。日本語入力をしながら,俳句とその背後に控える膨大な世界が楽しめる。
例えば,「ぼん」と入力して未確定なままで,Endキーを押すと,盆(盂蘭盆会)の解説と例句が出てくる。ついでに「きご」でEndキーを押すと,階層をおっていくことで,季語の一覧及びその解説と例句を知ることが出来る。例えば,秋-生活-夜学で,「雨のバス夜学終へたる師弟のみ 肥田埜勝美」を得る。新酒であれば,「旅憂しと歯にしみにけり新走 宇田零雨」だ。
もっとすごいのは,Tabキーを押すと,「ぼん」という用語を含む季語の解説と例句が(おそらく)すべて出てくる。Tabキーを押し続けると移動する。上から順番に,盆用意,盆東風等々。盆踊,盆荒等々。因みに,盆荒とは,盆波のことで,「盆波やいのちをきざむ崕づたひ 飯田蛇笏」という句を見つけることが出来る。
しかし全体を見渡すためには,やはり本だ。「合本俳句歳時記第四版」((角川学芸出版)は,文庫本のサイズで1100ページあるが,驚くほど軽い。当然内容は,「角川俳句歳時記第四版 for ATOK」と同じだ。しかし前者の「参照」等について,後者はリンクをはってある。慣れれば後者は手放せない。
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