小淵沢で仕事があって,昨日の3時過ぎに電車で着いた。途中の甲府盆地は,桃の花が乱れ咲いている。この季節,桃の花は私の最大の快感だ。
小淵沢からは,西に甲斐駒,北岳,間ノ岳,東に編笠,権現。赤岳。いつ来ても見飽きない。ちょうど桜も満開だ。こんな自然に囲まれているのだから,心きれいな善男善女ばかり集っているのだろうと思うのだが,必ずしもそうはいかないのが浮き世である。
仕事は昨日で終えて,今日は小淵沢の人と一緒に入笠山に登ることにした(正確には,長野県の富士見町にある。)。実はこの土日はこちらで山に登ってもいいなと思っていたのだが,重い書類に,登山靴,ザック,着替え等を抱えての出張がいささか面倒になり,いったんは断念したのだが,小淵沢の人が,靴も貸してあげましょう,着替えもありますと親切にいっててくれたので,ついつい好意に甘えてしまった。入笠は,マウンテンバイクのコースもあるし,湿原もあって,もともと私の登山リストに入っていてある程度予備知識があったし,車で一番上まで行けば15分だということだったので,雪はあるだろうがほんのハイキングのつもりであった。ところが途中の登山口で車は通行止めになっていたので普通の登山になってしまった。といっても,登山口まで車で相当上っているので,頂上まで90分という標識があったが,実際もほぼそんなものだろう。ほぼ植樹された樹林帯の中の楽な山道。途中,入笠湿原がある。雪は残っているが,雪解け水が美しい。花はまだだ。しかし,その先に駐車場,舗装道路があり,・・・。そこからはかなり雪が残っており,帰りの下りが心配だ(結局,雪の消えているところを選んで行って大丈夫だったが。)。
頂上では,絶句。今日は透き通るような青空,雲一つない。空気も澄んでいる。360度遮るものがない。
したがって,南アルプス,奥秩父,富士山,八ヶ岳,霧ヶ峰,北アルプス,乗鞍,御岳,木曽駒,空木等々,これが全部見えるのだ。私が今まで登った山の中で,一番,多くの山が見える山だろう。さらには里の桜,桃,黄色,白の花。
帰りに白州甲斐駒ケ岳温泉「尾白の湯」。ここのお湯はすばらしい。
ということで,仕事を忘れる桃源郷であった。
己が句におのれが泣けり桃の花 長谷川 早々
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