(iPod touchへの道)
ここ20日あまり,時間があるときは,iPod touchをいじっていた。率直にいってとても楽しい。今まで経験したことのない世界に触れた歓びがある。だがこの感覚にはかすかな記憶がある。そう20数年前,最初のパソコンとしてマッキントッシュを買い(それも新しい機種が出る度にずいぶん買い換えた。),今から思えば全く実用にはならない高価なソフトを次から次へと購入し触れて動かすだけで満足していた,あの感覚だ。その後,仕事に必要なワープロソフトは一太郎であるということでWINDOWS派に転向し,以来,ややこしくなるのでMACには触らなかったが,どちらが優れているかは知る人ぞ知るだと思っていた。APPLEはパソコンでは一時追い詰められたが,その後,iPod,iPhoneで盛り返し,今やマイクロソフト(もとより日本のパソコン,音楽プレーヤー,携帯電話の各業界も)が崖っぷちではないのか。栄枯盛衰は世の常だけど,とにかく優れたアイディアを次から次に出すAPPLEには,恐れ入る。時にその「商売」はいかがなものかと思うこともあるが,それもいつかは何となく望ましい方向へ行くようだ。ついでに思い出したが,私が最終的に禁煙したのも,高価なマッキントッシュにはたばこの煙がよくないという,今考えれば嘘っぽい理由が決め手になった。
(閑話休題)。
さてiPod touchを使うにはWiFi環境が必要だが,屋外のSPOTで接続して利用することには無理があることは,Ⅰで触れたとおりである。そこで,私はWiMAXという高速モバイル網に加入した。自宅や職場のネット接続を無線LANにする機器もあるが,それでは外では使えない。恐らくこの選択は正しいだろう。少なくても都会では,モバイルパソコンのネット接続にも使えるので助かる。 これが動き始めて(まだ1週間ぐらいだろうか),はじめてiPod touchに常時触れることができるようになった。ついでにいうと,WiMAXに接続するためには,小型ルーターを持ち運ぶ必要がある。大きさは携帯電話ぐらいだが,もう少し軽い。充電すると3時間半ぐらい使用できると書いてある。自宅と職場で充電しながら利用できるので,それ以外の場所での利用には,普通は十分である。 ではiPod touchとは何か。もともとiPodは音楽を聴くプレーヤーである。私は,iPod nanoで,自分で買ったCDの落語や音楽を転送したり,iTunesで,オーディオブックを買ったり,PodcastやiTunesUから適当な番組をダウンロードしたりして,iPodで聞くのを楽しんでいた。最後のふたつは実はすごいことだと思うが,ここでは省略しよう。そしてある日私は,iTunesUのあるビデオの番組を見たいと思ったが,それはiPod nanoにはダウンロードできなかったので,大容量のiPod touchなら当然可能だと思い,64GのiPod touchを買うことにしたのだ。それだけのことであって,iPod touchが,電話を除き,iPhoneと同様の機能を備えているとは全く知らなかった。 その機能とは何か。超小型携帯パソコンである。 実際,iPod touchは,パソコンそのものである。もちろん,画面が小さいので,わざわざこれを使わないでもいいのではないかということはたくさんある。まず,入力。慣れるまで入力点の移動や,カット&ペーストもままならない。簡単なメモはともかく,長文の入力は,厳しい。実はBluetoothを利用したキーボードがあり,私も早速買ったが,これを持ち運ぶのは本末転倒であろう。また普通のサイトの閲覧は,一時的に必要なものはいいが,常時閲覧するものではないだろう。ただ後述するが,専用のアプリケーション(App)で,閲覧しやく加工されたニュース等の情報は豊富だ。辞書等もインストール,検索できる。ゲームもできるし,写真,ビデオも撮れる。録音もできる。GPSも使える(iPod touchでは,WiFiを利用する。)。でもあれも出来る,これも出来るというのでは,高級おもちゃに過ぎない。昔のマッキントッシュと同じだ。そして多くの人も,こんなことが出来る(もっともその中には利用に耐えるサービスも多くなっているのだろうが)と喜んでいるだけのことが多いのではないかなと推測する。 ではどう使うのか。多分これを基盤として,自分が作成するすべての情報,必要だと思って取り込むすべての情報を集約していつも手許で確認し,また思いつく度に,メモを入力し,写真を撮り,音声メモを作り,これも集約する,ということではないか。そのために,利用するのが,クラウドサービスである。ひとつは,EverNoteであり,もうひとつが,Drop Boxである。いずれも,ネット上のサーバーで,大量の情報を保管し,利用できるサービスである。外にもあるのかも知れないが,今のところ私が考えているのは,このふたつである。これが「本命」であるが,これはいまだ使いこなす態勢が出来ていないので,この部分の紹介は,「iPod touchとはなにものかⅢ」に譲ることとし,今回は「こんなことができた」ことを紹介しよう。WiFi体重計は,既に別途,紹介した。
(こんなことができた)
まずAmazon Kidleで購入した本を,iPod touchでも,専用アプリで読むことができる。実はKidleで購入した本は,これまでもパソコンで読むことができた。それは分かるが,iPod touchで読めるということは,当然iPadでも読める。そうすると,Kidleというハードは必要なのだろうかという疑問がでてくる?それより,そのように開放的な考え方を取るAmazonに驚嘆すべきなのだろうか。いずれにせよ今後電子ブックがどうなるかはまったく分からない。そういえば,雨後の筍のように日本で生まれた電子ブック閲覧ハードはどうなったのだろうか。 本について,著作権の切れた本を,「iBooks」,「i文庫で」読むこともできる。Kidleも含めて,古典は相当充実している。Kidleには,新しい無料の本もある。 雑誌販売のFujisan.co.jp では,デジタル雑誌も販売していて,ニューズウイーク,NHKの語学雑誌等を,iPod touchで読むことができる。何と判例年報も。英文のTimeや,Newsweek等の雑誌はその多くの記事を読む気があれば読めことができる。ついてにいうと外国の無料雑誌サイトの充実ぶりは驚くべきものだ。これらのサイトは,モバイル用に読みやすいように記事を加工してくれている。また専用Appがある。 更にいうと,「ビューン」というAppがあって,そこでは週刊朝日,サンデー毎日,AERA,FRIDAY,週刊ダイヤモンド,プレジデント,あるいは婦人誌,趣味の雑誌,新聞等々を,30から40くらい見ることができる(月額350円)。ただ抜粋なので,その点がどうかという問題はあるが,それにしてもずいぶんお得である。 ジャパンナレッジという辞書検索サイトがある。相当多数の辞書があるほか,東洋文庫,日本古典文学全集,国史大事典,日本歴史地名体系,日本国語大辞典,日本の論点,エコノミスト等も見ることができる。このサイトは最初のころ,継続手続について愚かなことをいっていたことがあるが,ここまで充実してくるとやめることはできない。iPod touchでは,そのうちの30くらいの辞書で検索することができる。辞書はインストールして使う単体の辞書は,普通,何千円もするので,インストールする意味があるかどうか。WiFI環境があれば,このような検索サイト(GoogleやYahooに充実したサイトがある。)を利用することとし,一冊インストールしておけば十分だろう。 内外を問わず,ニュース類,天気予報類が充実していることはいうまでもない。私はこれを機に,日経の電子版に加入してしまった。英語シャワーなど簡単に実現できる。話が少し離れるが,「聖書」というAppがある。これには世界各国語の聖書が読めるほか,英語,スペイン語,中国語は音声も聞くことができる。特に英語版は,9種類のバージョンについて音声がついている。 語学といえば,NHKの語学番組用に「電子プレーヤー」というAppがある。会話本文の速度を変えたり,反復したりすることができる。今NHKが販売している語学CDを元に会話本文を同時を見ることができるコンテンツの半月分が800円である。iTnnesの音声だけでは,半月分が600円がなので,高いとみるか安いとみるか。CDは一月約1600円である。 法律について模範六法3200円。抜粋版はいろいろある。ところで辞書CD販売のロゴヴィスタが,パソコンで電子法令検索を無料で提供している。大変優れた試みであった。それをiPod touchでも無料で提供するということだったのだが,実際は,毎月の更新版を300円で提供しているようだ。すべて無料でとまでいう気はないが,少し高いのではないか。今のところ購入していない。 星とか,花のAppも楽しい。写真,ビデオや音楽も楽しい。
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