相談
マンションの隣人が酒に酔って様々な迷惑行為をするので耐えられません。なにか良い解決策はありませんか。
回答
まずこの問題の基本は,誰でも多かれ少なかれ経験している「隣人の迷惑行為」にどう対処するかということです。
裁判までいけば,個別の迷惑行為に注目して,それが受忍限度を超える場合は不法行為となり,損害賠償の請求や差止めを請求できるという枠組みになりますが,言うは易く行うは難しで,ほとんどのケースでは,何となくうやむやになっているというのが実情でしょう。もちろん,警察や民生委員等にも相談し,あれこれ手を尽くしてもらうことにもなるでしょうが,決め手にはなりません。また迷惑行為の原因が何らかの精神的な病いに起因している場合も多く,解決をいっそう困難なものにしています(病いであれば受忍しなければならない場面が広がるでしょう。)。
ところで本件の隣人はマンションの所有者ということなので,区分所有法に基く対応が可能です。
まず区分所有法6条1項に「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」とあり,第7節「義務違反者に対する措置」の57条以下に,行為の停止等,使用禁止,競売等が規定されています。
迷惑行為の停止等だけでなく,所有者であるのに,使用を禁止されたり,債務もないのに競売までされてしまうというかなり大がかりな仕組みです。したがって法律の定める要件さえあればこれを使って追い出すことが可能ですが,これが「良い解決策」かどうか(特に膨大な労力と費用がかかること)は,考え方次第でしょう。
なお「共同の利益に反する行為」については,「コンメンタールマンション区分所有法第2版」(日本評論社)に,解説されています。
コメント
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